慟哭ノプラチナ
     色々なときめきに右往左往する毎日を、つらつらと書きます。 テンションは日によって変わる感じ。眠りについたあとは、夢でお逢いしましょう。
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柚木×月森・3
お題より、
1.君の為にならないから


「君はいつでも、まるで様子を伺うように僕を見るよね」
幾度かすれ違った視線を強引に重ねて、彼、柚木はそう云った。
「そんなことは…」
「ないとは云わせないよ」
小さく呟きながら再び視線を逸らす月森を、彼は一つ息を吐いて見つめる。
「…」
「ねぇ月森君、それは一体どうして?」
揺れることのないその表情に、月森は僅かに背中を震わせた。
「どうしてって…分かるはずが、ない」
視線が外されることは、ない。まるでがんじがらめにでもされたかのようで、言葉の終わりが小さく消えかけていく。彼はそっと笑った。穏やかに、それでいてどこか自嘲めいた笑みでもって。

彼の傍に居ると、月森はいつでも逃げ出してしまいたくなる。だがそれは、決して居心地が悪いわけではないというのがまた、始末におえないと思っていた。
「僕には分かるよ。君がどうしてそんな風に僕を見るのか、君の思いだって全部」
そんな自分自身の葛藤さえ、彼は全て見通しているのではないか。そんな事を考えながら、その場所に足を留めた。

「柚木先輩…」
いつの間にか、彼に見惚れていたのだろう。月森はほんの一瞬の、彼の表情の変化に気が付いた。口振りは常と何ら変わらず、けれど確かに、瞳が僅かに揺れたのだ。その意味を尋ねることを月森はしなかったが。
「だけど教えてなんてあげないよ。だって君の為にならないから。…そして、僕の為にも」
「どうしてですか?」
返った言葉は思いもよらないそれで、月森は少し戸惑ってしまう。
理解したつもりになっても、あっと云う間にその姿を変える。そんな彼に酷く苛立ち、そして月森は強く惹かれるのだ。
「云ったでしょ?教えてなんてあげない」
「先輩…」
「たくさん悩んで考えて、頭の中を僕でいっぱいにしてごらんよ」
彼の声音には、どこか甘い色が混じっている。
「俺ばかり…なんですか?」
「そんなことはないよ」
「ですが…」
見つめた先の瞳が、続く言の葉を拒んだ。
「いつか答えを見つけたら、僕のもとへ聞かせにおいで。もしも君が望むのならば、僕の思いを幾らでも君にあげるから」
「柚木先輩…」
息を一つ飲み下して、月森は彼を呼ぶ。名を呼ぶことで、懸命に強がって見せたのかもしれない。
ゆっくりと小さく笑って、そして彼は云った。
「君に伝えたい思いが、溢れてしまいそうだよ。だから早く…答えを探しておいで」

月森は何も云わずに、静かに視線を逸らした。






リハビリ…。
私は柚木のことをどう捉えているんだろう…。
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