慟哭ノプラチナ
     色々なときめきに右往左往する毎日を、つらつらと書きます。 テンションは日によって変わる感じ。眠りについたあとは、夢でお逢いしましょう。
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
RL
[PRELUDE]




「どうしたんだ?月森」
「土浦…」

窓に写る影をじっと見ながら、小さく眉を寄せる月森の姿。そんな背中に土浦が声を掛けることは、決して珍しいことではない。
「そんなに忙しなく髪を弄るなんて、お前らしくないと思うんだが。どうかしたのか?」
「…君には関係のないことだ」
「お前なぁ」
だがこうして、成り立たない会話を繰り返すこともまた、珍しいことではなかった。

分かっているというのに何故なのだろうか。冷静沈着が常という月森の、落ち着きのない仕草に違和感を覚えただけ。それだけのことだと云い聞かせながら、それでもどこかでまた別の思いが顔を出す。土浦は戸惑いながら、向けられた背中に視線を送った。

「本当に相変わらずだね、君たちは」
響く沈黙に焦れた土浦が、もう一度言葉を掛けようとしたその時。月森を振り返らせた声の主に、つられるようにして顔を向ける。
「柚木…先輩」
思わず零しそうな舌打ちを誤魔化すようにして、土浦は名前を呼んだ。
「やあ、こんにちは」
「柚木先輩、何の…」
「どうしたんだい?月森くん」
柚木は一度土浦を見やったあと、彼の問いかけを遮るように視線を返す。土浦は思わず顔を歪めた。
「髪を…少し切りすぎた気がして」
「は?」
思わず声を上げたのは土浦だ。分かりやすく眉を寄せる土浦に視線を送ることもしないで、柚木は涼しげに笑う。
「そんなことはないよ。よく似合っている」
「ですが…」
「ねぇ?志水くん」
「はい。とてもお似合いです、先輩」
「志水、お前一体どこから…」
慌てる土浦の姿にもう一度微笑んで、柚木は続けた。
「志水くんだってこう云ってる。だからそんなに気にすることはないんじゃないかな」
「…はい」
月森はゆっくりと髪に触れて、やがてまっすぐ視線を返す。
「月森先輩」
「なんだろうか」
「アンサンブル、一緒に練習しませんか?今日は柚木先輩も参加してくれるって云うし」
「…そうだな」
「折角だから、ついでに土浦くんも一緒にどうだい?」
「ついでって…」
不服な口振りの土浦をちらりとだけ見て、柚木はそのまま奥へと歩きだす。
「分かりましたよ、俺も参加させて頂きます」
嬉しそうな表情で、志水も後を追った。

言葉が終わってすぐ、肩が触れる、視線がぶつかる。それは無意識なのか、何か意味があったのか。答えを知ることはできなかったが。やがて月森は、誤魔化すように顔を背けた。
「おい、月森」
「何だ…」
「俺も、似合っていると思うぞ」
「…余計なお世話だ」
それでも言葉は重なっていく。慣れない感覚に戸惑いながら、一つずつそれを知る。

「さあ、始めようか」
「はい」
包む空気はあたたかい。僅かに色を帯びたそれに、彼らが気付くのはもう少し先のことである。







誰がなんと云おうとこれはRLだ!
リサイクル。以前オフで無配した小話です。いずれアップしようと思いつつ、時間が経ってしまいました。
タイトルがなかったのでなんとなく「PRELUDE」。あとはほっとんど当時のままです。

超覚えてる。なんかのイベントで、谷山が前髪を切ってたことに大騒ぎして、そのまま一気に書いた…はず。
スポンサーサイト
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
copyright © 2005 慟哭ノプラチナ all rights reserved.
Powered by FC2ブログ.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。